想い耽る羊飼い(おもいふけるひつじかい)

想い耽る羊飼いの物語(視点 アレク)

〇〇 〇 〇 〇〇
はるか昔 この星に生まれたはずなのに
夜星を眺めると どこか 懐かしい気持ちになるのはどうしてなんだろう
そうして まがい物ではなく どうも ボクは
他の星からやって来たんじゃないかっていう
ずっしりと重い 実感を持っていた
 〇〇 〇 〇 〇〇
ボクには 永遠の時が流れる 鯨の背中の上で
羊飼いという仕事を与えられていた
沢山のミリィという羊を遊歩させ まとめあげるのは
なかなかやりがいのある仕事だった
ミリィたちの機嫌を損ねないよう 話しかけ
帰るころに 一匹を柵の中へと導いてやると
後のミリィたちも みんな固まって動き出した
ミリィ達はお喋りだった
食事をしながら隣のミリィと 今日はどうやら 羊雲の出来について
討論しているらしかった
ところで 数百年くらい前から
一匹の泣き虫なミリィがボクの家までついてくるようになった
最初は柵の中へ帰るように言って聞かせていたんだけれど
50年でも聞かないから ボクはボクの家で ミリィと 一緒に住むことにしたんだ
いつものようにお喋り好きの ミリィの話を聞きながら
夕食をとっていた時のこと
コンコンと ドアをノックする音がした
街はずれの放牧場に 突然の客 久しぶりだった
一体誰だろう?
どうもミリィも全然 警戒をしていない様子だったから
ボクはドアを開けた
すると ボクは驚いた
そこにはまるでボクじみたみかけの生物が
同じ視線で 立っていたんだから
ボクは一目見て そうか これから何か
とんでもないことが起こっていくんだと分かったんだ
羊飼いさん初めまして ただ
そうゆっくりとお話している
時間がありません
ワタシは 星の導きを受けたものです
これよりは 地球という星へ旅立っていきます
そろそろ その旅支度にも 終わりが近づいてきている
ただ…
ワタシだけではとてもじゃないけれど
あちらですぐに消えてしまうでしょう
あちらの世界においての 消失とは 死を意味しているのです
そう言いなたら ただ少し余裕のある表情をしてボクを見るその子がいた
ボクは空っぽの心へ
沢山の言葉を受けたものだから
久しぶりによく考えてみたんだ
分からないなりに 何せ これがこの子にとって
とても重大なことだということは よく伝わったから
とりあえず よく話を聞くことにして
どうしたの?
と返してみると
星の導きはご存知でしょうか?
死を受けて 新しい星で再びの誕生を経験します
短い時の中で 永く生きるすべを求めなければと 思いました
そしてワタシはあなたを訪れたのです
その子は一息つくと
もうその時が来る
と言い残し そのまま外に出ていこうとしたんだ
こんなことをする方じゃなかったんだけれど
そのとき どうしてか ボクはとっさにその子の腕を掴んでたんだ
待ってくれないかな
今の話を全部真に受けていいなら
このままだとキミは
死んでしまうの?
力になれることがあると思う
せめて名前だけでも
すると
旅の始まりとは
死に行く者を気遣うその時からのようですね
エイリーと言います
さようなら羊飼いさん
あなたにも星の導きがありますように
どうかワタシの言葉を忘れないでください
最後 風が吹けば消え入りそうな言葉を拾おうとしていたら
その子はドアを閉めて 出て行ってしまった
ボクもすぐ後を追ったんだけど 星の導きが起きたらしい
眩く光り輝いたかと思うと
その子はまるで 煙のように消えてしまったんだ
残っていたのは
消えかけた光の帯だった
それは天高く伸び 輝いていて
星の瞬く空 どこまでも続いていた
(本当に遠くへ行ってしまったんだ)
いいや きっと還っていったんだ
あの子にも 元いた世界というのがどこかにあるんだ…
この経験を経て ボクは自分の本当の世界へ還るということ
それがいかに消失と近いものだとしても
悪い事じゃない気がした
それは思うより 神秘的でキレイなことだと気づいたんだ
星の導きの この星を旅立つ瞬間を目の当たりにすることを
一体 どこの著者が ボクに届く形で 本に束ねることができただろうか
なんて不思議な心地だったかな…
ボクはその日からボク自身が星に導かれるまでの間
何度も
同じ姿をした あの子のことを 考えてたんだ
皮肉とはこのことを言うんだろうね
それはまるで
激しく生きることのように 幾度も気にかかりその旅路の無事を案じていたんだ
それにしても 別世界で死にゆく その子について想い耽ることが 
こんなにも
切ないことだったなんて
Message From Alex Unrequited Loving

およみおいただきありがとうございました!

 

 

 

◎この後ワンダストーンでの記憶を忘れ地球へ訪れた宇宙生物たちは

各々の経験を経て 彼らは再び地球で出会うことになったということです… 

 

 

そして地球へやってきた彼らが話をし始めたのが よんこま の世界…

 

お時間のあるときに

あわせてお楽しみください!

만화/Cartoons/よんこま 参照 

※2014/11/23~2015/2/1 Twitterアカウント掲載作品より

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◎他キャラクターの更新については現在停止中…/時機到来を待ちシナリオの解放とする

mashiro